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東京芸術劇場ガルニエ・オルガン(クラシック面⇔モダン面)
東京芸術劇場ガルニエ・オルガン

 パイプオルガンの響きには誰もが心動かされる、と思います。ヨーロッパを旅行される方は、たいていフラリと通りすがりの教会に入り、パイプオルガンの音が聞こえると「ワァー、ステキ!」と感動の面持ちになるのです。「日本では聞けないわねぇ」...

 いえ、聞けます!「コンサートホールは、建物全体を共鳴体として響かせるパイプオルガンが備わって初めて完成する」という考えの基に、近年造られるコンサートホールの多くがパイプオルガンを設置しています。

 しかし残念なことに、せっかく立派なパイプオルガンを備えた施設が増えたのに、ごく一部の施設を除き、パイプオルガンのコンサートがほとんど開かれていないのです。それは、第一にオルガンコンサート自体がマイナーな分野であること。第二に、主催者にとってオルガンを含め会場の使用料が高いことが原因です。

 パイプオルガンの世界は、演奏家−オルガニスト−の演奏を聴くというより、オルガンの響きを味わうのが元来の鑑賞の仕方です。ですから聴衆は、「ここのパイプオルガンはどういう楽器で、どんな音がするのか」という期待で聴くわけです。日本各地に素晴らしいコンサートホールとパイプオルガンがあります。より多くの方々に、身近にあるパイプオルガンと出会って、その響きを体験していただきたい。そして、「ワァー、ステキ!」という感動を持ち続け、「ここにこんなパイプオルガンがありますよ」と広く知らしめていただきたいのです。

 1999年3月ドイツのハンブルクを訪れたとき、大作曲家ヨハン・セバスチャン・バッハがブクスフーデの教えを受けたというリュベック市聖マリア教会の主任オルガニストから来日公演のマネジメントの依頼を受けました。バッハ没後250年に当たる年に日本でコンサートを開きたい、バッハ作品だけの連続演奏会を、との希望です。これまで数回来日したことのある彼は、日本に立派なパイプオルガンの備え付けられたコンサートホールが増えたものの演奏会に利用されることが少ないのを知っています。そこで、バッハだけの演奏会ならオルガンになじみの薄い方々の興味をも引き起こせるだろう、と熱意を込めて語ったのです。

 その後、紆余曲折を経て東京芸術劇場にてコンサートを開催する運びとなりました。バッハ没後250年となる2000年、バッハのオルガン作品を聴くことは、最近コンサート会場から遠のいていらっしゃる方にとっても魅力いっぱいの忘れられない体験になると思います。しかも、バッハゆかりの教会から来るバッハ弾きで、パイプオルガンの魅力は倍増です。そして、これを機に、各地で日ごろ演奏されることの少ないパイプオルガンの演奏会を開き、その楽器としての可能性を引き出すばかりでなく、地域の文化財産として住民に愛され、大切にされるようになる第一歩になれば幸いです。

 欧米では専属オルガニストによる教会コンサートで成り立つオルガン文化ですが、日本ではフリーのオルガニストがコンサートホールで活躍するという独自のオルガン文化を育てることができます。演奏家にとって、日本は「所属に縛られることなく、様々な施設の様々な仕様のパイプオルガンが演奏できる」基盤と魅力があります。世界中のオルガニストが日本へ来たがる理由です。『パイプオルガンを楽しむ会』は、日本のオルガン文化を育てる、その一翼を担いたい。このマイナーな楽器の世界をメジャーにして、欧米に新たに発信するという夢を皆様と一緒に実現させたいと願ってやみません。

199911

パイプオルガンを楽しむ会
代表 橋本侑生子

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