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Program'n'Review/プログラム・アンド・レビュー

Start 2000 / オルガン連続演奏会X

魅惑の風音2004

「ふたつの顔と三つの性格」

芸劇のオルガンをさらに楽しむ夕べ

 

lごあいさつ

皆様方に支えられて、当会のパイプオルガン連続コンサートも5回目を迎えることができました。ご縁によって、これまで何度か足をお運びいただいているリピーターの方々、お名前しか存じ上げておりませんが、改めて深くお礼申し上げます。

この5年間にホール企画を中心としてパイプオルガンのイベントは増えました。しかし、「パイプオルガンを楽しむ会」の趣旨である「オルガン文化を育てる」という状況には、まだ遠いようです。微力ではありますが、当会は皆様方のご支援を持続的な文化活動につなげるため、たとえ年一回でもシュテンダー氏との縁を多として生かしていきたいと思います。

東京芸術劇場は、残念ながらホール企画が無いに等しく、そのガルニエ・オルガンが文化財産として生かされておりません。そのことでオルガン自体が欠陥品であるかのような誤った報道につながり、私どもは強い憤りを感じました。しかし、世界的にも類を見ない独創的で文化価値の高いこのオルガンを活用することこそ、前向きな解決策であり、ひいては教会に根ざした欧米のオルガン文化とは異なる、日本独自のオルガン文化を世界に発信することにもつなげられると信じております。

名演奏家の手に掛かって、この楽器が輝き、世界に誇ることのできる響きをお届けいたします。

パイプオルガンを楽しむ会
代表 橋本侑生子

lプロフィール

lプログラム

lD. ブクステフーデ

前奏曲 ニ短調  
(BuxWV140)

「聖霊よ来たれ」
 (BuxWV199)

前奏曲、フーガとシャコンヌ ハ長調
 (BuxWV137)

lS. シャイト

変奏曲「なぜ悲しむや、我が心」

lJ.S. バッハ

「目覚めよ、と呼ぶ声あり」
(BWV645)

前奏曲とフーガ 変ホ長調
(BWV552)

------------- Pause -------------

lJ. ブラームス

交響曲第4番 ホ短調 op. 98
[シュテンダー編曲]

lM. ラヴェル

ボレロ
[シュテンダー編曲]

lプログラムノート

D. ブクスフーデ (1637-1707)

バッハ以前の北ドイツ最高のオルガニスト・作曲家である。北ドイツのオルガニストにとって最も栄誉とされるリュベック市聖マリア教会のオルガニストでもあった。

「前奏曲 ニ短調」は、速い導入部で始まり、フーガ(追いかける、という意味)・叙唱・第二フーガ、そして巧妙な最終部分(コーダ)へと続く。

「聖霊よ、来たれ」は、よく知られた聖歌の合唱序曲である。メロディが一つの音栓で(一つの声域)で繰り返される。

「前奏曲、フーガとシャコンヌ ハ長調」は、ペダル・ソロで始まり、短い装飾的な断片がフーガへと移行する。シャコンヌ(緩やかな3拍子の変奏曲、バロック音楽の大事な器楽形式)のバス主題は、7回繰り返される。

S. シャイト (1587-1654)

ハレーという町の宮廷オルガニストであり、作曲家としてドイツプロテスタントのオルガン曲の基礎を築き、ブクステフーデ以前の巨匠とされる。

「なぜ悲しむや、我が心」は、8つの変奏曲から成る。オルガンの多彩な響きを、実に良く引き出してくれる作品である。

J.S. バッハ (1685-1750)

ライプチヒのトーマス教会のオルガニストであった。1705年、教えを乞いにリュベック市のブクステフーデを訪ねた話はよく知られている。

「目覚めよ、と呼ぶ声あり」は、同名のカンタータ BWV140 の声楽曲(テノール独唱)を自ら編曲したものであり、衆知の作品と言える。

「前奏曲とフーガ ホ長調」は、人生の中でオルガン作品を書くことの少なかった時期(晩年になる)の作品である。オリジナルはクラヴィア(ピアノの前身)練習曲第3部に組み込まれ、後に単独のオルガン作品にまとめた。

祝祭的、序曲風の前奏曲は、3つのテーマをフーガのようにつづってゆく。

J. ブラームス (1833-1897)

ハンブルク(生まれ故郷)とウィーンで作曲活動をした。

哀愁的交響曲と言われよく知られている作品「交響曲第4番」は、その多彩な変奏によって生き生きとしており、一見対立しているかのような各楽章に、総じてスキのない緊張を作り上げている。[シュテンダー編曲]

M. ラヴェル (1875-1937)

オーケストラの作品の中でともかく有名、ポピュラーである。オルガンのための魅力あふれる編曲は、楽器が持っている小さな音から大音響までの可能性を十分に発揮させてくれる。[シュテンダー編曲]

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