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Start 2000 / オルガン連続演奏会X 魅惑の風音2004 「ふたつの顔と三つの性格」
オルガン=エルンスト-エーリッヒ・シュテンダー D. Buxtehude D. ブクステフーデ●前奏曲 二短調 BuxWV140/聖霊よ来たれ BuxWV199/前奏曲、フーガとシャコンヌ ハ長調 BuxWV137 S. Scheidt S. シャイト●変奏曲 なぜ悲しむや、我が心 J. S. Bach J. S. バッハ●目覚めよと呼ぶ声あり BWV645/前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV552 J. Brahms J. ブラームス●交響曲第4番 ホ短調 op.98 (シュテンダー編曲) M. Ravel M. ラヴェル●ボレロ
昨年(2003年)、新聞(5月29日付産経新聞、6月13日付読売新聞等)に東京芸術劇場パイプオルガンへのバッシングのような記事が掲載された。「欠陥オルガン」「トラブル続出」「税金のムダ遣い」・・・・私は、胸の痛む思いであった。 バブル期をピークに各地で次々に作られたものの、ほとんど利用されていない多くの大型パイプオルガン。日本のそんなパイプオルガンの状況を憂慮し、「パイプオルガンがもっと身近な楽器として親しまれ、その地の文化遺産として愛されていくように」という思いで立ち上げた「パイプオルガンを楽しむ会」としては、そんなバッシングに何の利があるのか、と訴えたい。税金をムダ遣いしてまで作った高価な楽器なら、東京都に呼びかけ、都民・地元の人たちにもっと知って、親しんでもらうよう努力と工夫を促し、また、このオルガンの存在と文化的価値を世に知らしめるのがメディアの役目ではないか。 「愛される」ということは、いたわり(メンテナンス)が行き届くということである。冷暖房や強い舞台照明の影響に加え、9000本のパイプと100のストップに対して、1日平均たった2時間の弾き込み・・・・なんと過酷な環境を耐えてきた楽器であろうか。楽器として使われてこそ生きるものを生かすこと、これこそ最高のメンテナンスである。 世界的オルガニストのシュテンダー氏が芸術劇場のオルガンに初めて触ったとき、「ほとんど弾かれていない」と言ったのを思い出す。そして、演奏終了後に「最高のオルガンだ」、他のホールのオルガンより「力強い」と興奮気味に語ったことも。 2000年に旗揚げし、「毎年やるぞ」のつもりで開催してきた「Start 2000/オルガン連続演奏会」だが、昨年は主催者の諸事情で開催できず、心苦しい思いもあった。だが、今回久々の「芸劇のオルガン」を十分に楽しんでいただきたい。過去4回の芸劇での公演で、このガルニエ・オルガンについては知り尽くしたかと思ったが、さにあらず。まだ隠されていた風の音。「パイプオルガンを楽しむ会」ができることはたった1日の公演でしかないけれど、お出かけくださる皆様がこのオルガンの楽器として輝く姿を目の当たりにされ、少しでも愛してくださることを信じている。 パイプオルガンを楽しむ会 |
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