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2000年11月2日

連続演奏会U「続・ふたつの風の音」を終えて

 「案ずるより生むが易し」と言うけれど、本当にそうだと思う。今回のコンサートについては、関係者の多くから「2回目はお客さんが集まらないよ」と諭され、メディアにも、2度目ということで取り上げてもらえなかった。したがって、集客には大分心を砕くこととなったが、ほとんど広報活動ができなかった割に、人は来てくれたし、会場の雰囲気もナカナカだったと思う。チラシのポスト投函、街頭での手渡しも、全体から見ればわずかだったかもしれないが、席数に効を奏した思うし、その経験は良かったという感想である。

 Stender の演奏はすばらしかった。今回は、バッハ作品以外にもリストとレーガーの B-A-C-H による作品も取り上げたのだけれど、これが、芸術劇場のガルニエ・オルガンのバロック面とモダン面の対比を、よりハッキリさせてくれたように思う。そして、Stender の奏者としての技量が最高級であることも改めて知らされた。つまり、作品の時代背景、曲に要求されるダイナミズムをしっかり把握した演奏だったということ。私は4月のコンサートの時、プログラムの一部に割合大人しい表現だと感じるところがあった。しかし、バッハ時代のオルガン事情や奏法から考えると、あまりにダイナミック、あるいは音が立ったような(?)表現は少なかったかもしれない、と思い当たる。本拠地リュベック聖マリア教会で、年間50から60のコンサートを、すべて違ったプログラムでこなすという Stender は、バロックから現代に至るまでの作品にかなりの理解と技量を持っているばかりでなく、キャパシティの深い演奏家でもある、と確信する。

 帰りのお客様達をエスカレーター脇でお見送りした、そこでの雰囲気に、良いものに巡り会えたという穏やかさと楽しさが感じられた。確かに、多くの音楽関係者が言うように、パイプオルガンだけでコンサートを続けるのは難しいかもしれない。でも今は、必ずこの楽器が日本人にとっても身近な存在の楽器になるだろう、と信じても報われるような気がしている。

 この10月末で10年目に入った芸術劇場のパイプ・オルガン。さあ、これからだ! 活躍の場はこれからだ! 東京が世界に誇るホールとオルガンがここにある。

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